大分市出身なのに、知らない県民が多い「転向」作家・・・

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大分市出身なのに、知らない県民が多い「転向」作家・・・
林房雄の自伝的短編小説「繭」を読んだ。蛇、蚕、少年、、。ぬめりのある粘着質の感性が、鋭く社会変革の雄叫びを上げる小品だ。山口中学(現在の大分上野丘高校)時代の記憶を、緊張感のある文体で叙述した。大正15年、23歳の時の作品。
「母が死んだ!遅かった!」「痩せて行く繭、肥える糸枠、真黒な蛹の死体」。母は製糸工場で働いた。暗喩が示す怨念の行く先は明確である。「僕も『同志』と呼ばれる者の一人になった」。エンディングが、強い。
ーー僕は面白く読んだ。「丘の上からは海が見えた」。上野丘から別府湾が見えた。「竹田藩の士族の血は凶暴な復讐をもくろむ」。磯田光一の解説(集英社版・日本文学全集)も分かりやすい。もっと、読まれていい作品である。

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